2011年4月28日木曜日

追って、追って、追って

Uchida, UEFA CL-SF 1leg , 2011.04.26 - UEFA.com

FC Schalke 04 - Manchester United 0:2 (0:0)

一つだけ、目を引いたのは後半の42分のこと。この試合を象徴する瞬間だったのかもしれない。

相手陣内の右サイドに攻め上がっていた内田は、味方がボールを奪われるシーンを自身のすぐ前で目にした。ボールを奪ったマンUは中央を経由して、逆サイドにパスをつないでいく。キャリック、スコールズ、ファビオへと、内田は次々にボールホルダーに向かっていった。気がつけば、右SBの内田が左サイドにいた。「バランスをとらないといけない」と語っているサイドバックはバランスなど気にせずに、相手に食らいついていった。あれは何だったのか。

「せっかくここまで来て、2点とられて沈んじゃったままでいいのかなと思って。なんか、こう……みんな疲れているなら、じゃあ俺行くわって。ボールを追いかけることくらいなら、出来るかなとね。もちろん、ボールをとれないのはわかっているけど……やらなきゃいけないんじゃないかなと」

そして内田は、こう続けた。

「そりゃ勝ちたかったよ。勝ちたかったっていう言い方はおかしいかもしれないけど……」

» シャルケ対マンUの残酷な90分間 / number.bunshun.jp

シャルケの選手がボールを回す。内田も高い位置にいます。
ボールをカットされる。
内田すかざずボールに寄せて行く
そして、追う、追う、追う、追う、追う
ここでようやく本来のポジションへ戻っていきます

日本人としてこの日、初めてUCL4強の未知なる領域に足を踏み入れた内田篤人も持ち味を出させてもらえなかった。開始早々にルーニーとの1対1にさらされたのを皮切りに、朴智星の強烈シュートを体を張って止めたり、エルナンデスが強引に中央突破してくるところを懸命にカバーリングに入ったりと、本当に守りっぱなしだった。前半からハーフコートゲームのような状況になっていたのだから、それもやむを得ない。最大の長所であるスピーディーな攻撃参加を披露できたのも、後半の1回くらいだろう。U-17年代から世界と対峙する機会の多かった内田といえども、これだけ守りっぱなしの試合をしたのは初めてだったかもしれない。

日ごろは何が起きていも飄々としている彼が試合後「マンUは強かった。自分たちのやりたいサッカーをやらせてくれないレベルだった」と潔く認めたというから、本人にとっても想像をはるかに超えた相手だったに違いない。それでも、試合を見ていて、1つの発見があった。......

» 支配率35対65でシュートも倍の実力差。守備に忙殺、内田篤人 / jsports.co.jp

0 コメント: